専攻が仕事に直結する
フィールドがある
電子機器メーカーの「タカヤ株式会社」では、設計開発職をはじめ、さまざまな職種で高専OB・OGが活躍しています。高専での学びがどのように活かせているのか、お話をうかがいました。
TOPICS
どんなことをしている会社で、どんなフィールドがある?
高専卒者はどんな仕事をしているの?
タカヤは電波関連機器の開発、基板検査装置の製造やシステム開発を行っている電子機器メーカーです。といってもなかなか想像しづらいですよね(笑)。みなさんが目にするものだと、ICカード利用時に使われる、非接触で情報を読み取る機械や万引き防止ゲートをつくったりしているんです。
高専卒の先輩たちは、主に「設計開発職」「システムエンジニア」「生産技術職」として活躍しています。「設計開発職」は電気・メカ・ソフトのそれぞれの専門で製品を開発し、「システムエンジニア」は調査・分析を行い最適なシステムを構築・提案します。「生産技術職」は高い品質を維持しながら効率よく生産するための工程を設計する仕事です。
高専で学んだプログラミングの基礎知識は、システム開発業務。電気の知識や実践的な技術は、設備メンテナンス業務に直結しています。これまでの経験がさまざまなところで活きてくると思いますよ。
また、高専卒のみなさんは基礎をしっかり学んでいるので、技術の習得や、業務内容の理解が早いと感じます。そういう意味でも、学んできたことが仕事に直結しているのではないでしょうか。
世界からも支持される「ものづくり力」でトップシェア!
タカヤは、基板を検査する装置を世界に先駆けて開発し、現在では世界の6割のシェアを誇っています。
この高いシェア率には理由があります。タカヤが電子機器事業に参入した当時、トランジスタラジオの製造を行っていたのですが、不良品の解析に大変な時間がかかっていました。
そこで、自社の工場で使用するために開発したのが、この基板検査装置の始まりです。ものづくりの会社ならではの、ユーザー目線に立った使いやすさへのこだわりが、世界No.1シェアにつながっていると思います。
また、万引き防止ゲートも国内シェアNo.1なんですよ。海外製品が多い中、使用用途にあったデザインと性能の高さが支持され、お客様に選んでいただいています。当社は岡山県の中小企業ではありますが、「世界に誇るものづくり力」があるんです。
学んできた専攻を活かすには?
配属はどうやって決まるの?
面接のときにみなさんの「希望職種」をお伺いしています。配属先の募集人数にもよりますが、基本的にはできるだけご希望を尊重できたらと思っているんです。なので、学んでいることを活かしたいという方はもちろん、専攻に関わらずやってみたいことがある方は、ぜひ伝えてほしいですね。
また、「高専卒者が設計開発職として就職するのは難しい」と聞くことがありますが、当社は専攻科卒者だけでなく、本科卒者も、設計開発職として活躍していますよ。「開発がしたい」「ものづくりに携わりたい」「ソフトもやってみたい」など、いろんなご希望に対応しています。
設計開発職で活躍中!
高専OBの中井さんにインタビューしました。
- 中井 静希 さん
- 香川高等専門学校
創造工学専攻 機械電子工学コース 卒
RF事業部 開発課
2021年入社
高専で学んだことは活かせている?
現在は、どのような業務を担当されていますか?
ICカードをかざす機械の開発を担当していて、現在使われている製品の、次世代型の開発を主担当として行っています。
1年目で主担当ってすごいですね!「大変なこと」や「やりがい」は、どんなことですか?
世の中にはいろんなICカードがありますよね。それぞれ少しずつ違いがあって、それに合わせて開発するのはとても大変です。でも一つずつ実装できていくことに達成感があり、やりがいを感じますね。
高専では、どんなことを学んでいたんですか?
高専では、制御工学に関する基礎を学び、今までなかった「爪に貼って脈を測る機械」の研究を行っていました。授業でロボット製作などもしましたよ。
色々と勉強されていたんですね!高専で学んだことは仕事に活かせていますか?
技術も知識も、とても活かせています!ロボット製作などで、ものづくりの流れを一通り経験していたこともよかったですね。流れがわかるので、「次に必要なのはこれかな?」などと、仕事のイメージがつきやすく、役に立っているなと思います。
入社して良かったことは?
入社のきっかけは、なんだったんでしょうか?
タカヤを知ったのは合同説明会です。もともとは無線通信技術に興味があったんですが、何より会社ブースの雰囲気が良かったんですよ。コミュニケーションが少し苦手な私でも、話しやすい雰囲気でした。その後インターンシップにも参加したんですが、「居心地がいい会社だな」と感じたんです。
「ご自分に合っていた」ということでしょうね!就職活動では雰囲気を重視されていたんですか?
雰囲気も大切でしたし、職種も重視して探していました。ものづくりに設計・開発職で携わりたかったのと、自分が主体となって働ける環境がいいと思っていたので、自分の理想的な場所だと思ったんです!
まさに今、開発職として活躍されていますね!
そうなんです! 学生時代は機械分野を主体に、電気・電子分野を学んでいたんですが、基板設計にも興味があると伝えると、チームの垣根を越えて、回路設計などにも挑戦させてもらえました。自分の学んできたことを色々と活かせているので入社して良かったですね。
今後やってみたい業務はありますか?
ソフト開発の配属ですが、電気などの他分野もできるようになるのが理想です。流行りに乗る訳じゃないですけど、二刀流みたいな(笑)。色々なことに挑戦したいと思っています。
高専生へのメッセージ
お話しいただきありがとうございました!これからも色々なことに挑戦して頑張ってください!
インタビュアーからのコメント
人事の方と現場社員の方の笑い声があふれ、会社の雰囲気の良さが感じられる取材となりました。どの職種でもそうですが、「これまで学んできた知識や技術を活かすことができる」のは、やりがいを持って働けるのではないでしょうか。なにより、希望が尊重され、色々なことに挑戦させてもらえるのは魅力的だなと思いました。
「世界に支持される様々な技術力がある」ことや、「125年以上の歴史がある」こと、「自己資本比率が高く安定経営」であることなど、お話を聞けば聞くほど、興味をそそられる企業だと感じました!